あなたは相撲のタブーを知っているだろうか、、、。
やってはいけない事だからこそ、情報が出てこないではなく、
知ってはいけない事だからこそ、世の中に情報が出てこないのだ。
■ いったんは断念した貴重なデータが満載
大相撲が八百長問題で揺れるなか、その核心をズバリと突く本が緊急出版。書いたのは、フリーライターやジャーナリストたちの集団で、これまで英国のブックメーカーで相撲ベッティングを楽しんできたグループだ。
彼らは約20年前から、相撲を研究し、相撲には八百長(注射)と真剣勝負(ガチンコ)があることを知り、その研究にいそしんできた。その成果をいったん本にしようとまとめたのが10年以上前。しかし、このとき、週刊誌で八百長告発をしていた大鳴門親方が怪死したので、いったんは断念した。
ところが今回、ケイタイメールで八百長が明らかになったので、旧データをもとに、新たなデータを加えて発刊にいたった。
■ 本書によって書き換えられる相撲歴史
本書の章立ては、次のようになっている。
●Part1 八百長発覚の背景・・・八百長は悪なのか?力士は本当に悪人なのか?
●Part2 ベッティングから見た大相撲・・・英国ブックメーカーも真っ青の八百長システム
●Part3 八百長の半世紀史[前]・・・大鵬・柏戸「世紀の八百長」から千代の富士53連勝まで
●Part4 八百長の半世紀史[後]・・・ガチンコ横綱・貴乃花の登場からモンゴル支配の確立まで
●Part5 注射相撲の研究・・・星の相場、互助会システム、注射相撲の見破り方
このなかで、興味深いのは、日本中が沸いた「柏戸・大鵬」の千秋楽全勝対決は、世紀の八百長であり、4場所連続休場後の柏戸の「涙の優勝」は、はじめから決まっていたという。また、八百長システムを完成させたのは千代の富士であるといい、千代の富士が旭富士からせしめた八百長代2000万円は史上最高額であるという。
もちろん、若乃花・貴乃花はガチンコ横綱であり、貴乃花が後半に負傷ばかりしていたのは、ガチンコ相撲をとりすぎたせいだとしている。そして、いまは、白鵬の天下となっているが、これはモンゴル互助会が成立したからとし、その内容が述べられている。
■八百長告発本ではない、相撲ファンのための本
本書では、一般メディアが言うような「八百長をなくせ」などの主張はされていない。その理由は、八百長をなくしたら、相撲は相撲でなくなってしまうからだ。もし、注射がなく、15日間、力士が全力でガチンコ勝負をすれば、千秋楽までにケガ人が続出し、興行は成り立たなくなってしまうという。
つまり、相撲はスポーツではないので、そう思って楽しむ。それこそが、日本の伝統文化ということである。
著者代表の田端良彦氏は、著名な書籍デザイナーでライター、編集者でもある。今回の出版に際しては、
「この本で相撲を見る見方が劇的に変り、さらに相撲が楽しくなると思います。いずれにしても、野暮なことは言わないで、早く相撲を再開してほしい」と、語る。
■本書は「大相撲『八百長』の研究」(田端良彦と相撲愛好会・著、日本文芸社、2011年3月25日刊)の「Lite 版」です。さらに、詳しくお読みになりたい方は、プリントバージョンの完全版をお買い求め下さい。